月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
  ***
   *

「ただいまぁ」

 玄関に入ったところで、妹の靴があるのを見付ける。今日も早いんだなぁ。部活を休んでるのかな?

「お母さんただいま。光もう帰ってるんだね」

 リビングでテーブルを拭いていたお母さんを見付けた。

「おかえりー。なんか、お腹痛いって部活行かなかったみたいで」

「生理かな」

 光。男の子みたいで活発で、結構ケンカもする。口ゲンカだけど。あたしの靴を勝手に履くとか、パーカーを持ってっちゃうとか。まぁ姉妹の間でよく聞く話だよね。

 ケンカもするけど可愛い妹だ。

 お父さんはまた出張なので、お母さんと光とあたしの3人での夕食。大体はこんな感じだ。

 他愛もない話をしながらだったが、光はやはり元気が無い。体調が悪いのかな。 

 あたしはいつもの光景の中で、妹の変化を体のどこかで感じていた。

 血の繋がりっていうものだろうか。

「ごちそうさま」

 きっと自分ではいつものように言ってるつもりなんだろう。光は席を立ち、食器を流しに持っていった。
 お母さんが、あたしを見る。「ね、なんかヘンだよね」って顔してる。あたしは、軽く頷いた。

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