ダブルベッド
「昨日一日一緒にいてわかったと思うけど、あたし情緒不安定になることがあるでしょう?」
確かに、昨日は急に泣き出したりして困った時があったりもした。
忘れたいとか忘れちゃいけないとか、そんなことを言っていたっけ。
「あたし、木下くんが好きになるような女じゃないよ」
「どういう意味?」
「あたしを好きだなんて……きっと一時的よ。あたしのことを知れば知るほど、きっとどんどん嫌いになる」
桃香は見事なまでネガティブに、充の確かな恋心を否定する。
充はついつい反論したくなった。
自分の気持ちは本物だと。