ダブルベッド
再び出た、殺すという言葉。
満は再びドキッとしてしまった。
「それは、事故なんだろ?」
「そうよ、事故。だけど、あたしは確かに人を殺したの」
「わざとじゃない」
「わざとじゃないからって、のうのうと生きていけるわけじゃない」
「のうのうって……」
「木下くん、わかってない。あたしには、人を殺した過去があるの。もちろん殺すつもりなんてなかった。でも、殺してしまったの。それがどれほど辛いものか、絶対わかってない!」
声を詰まらせながら目に涙を溜め、しかししっかり充を睨む。
絶対……。
桃香はそう言ったが、確かに充には、その辛さは想像できなかった。