執事と共に謎解きを。
「それから、最後に私達」

「え?」

「言われたでしょ。私達も疑っているって」

「何でだよ」

「例えば、被験体《サンプル》自らがレポートを持っていったとしたら……」

「したら?」

「鴨がネギをしょっているようなものでしょう」

「やめてくれよっ」


夏樹が椅子を倒しながら立ち上がった。


「……俺、けっこー信用してるし、あんたらが好きなんだけど」

「……奇遇ね。私もよ」


と、恵理夜は美しい顔でにっこりと笑った。


――リリーン


ベルの音が鳴った。夏樹の携帯からだ。


「レミコ様からの呼び出しだー」

「さっさと行け」

「はいはい。またなー」


夏樹はひらひらと手を振りながら出て行った。
< 40 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop