執事と共に謎解きを。
「お疲れ様でした」

「本当、疲れたわ」


恵理夜は紅茶を飲み干した。


「春樹、貴方は誰が犯人だと思う?」

「私にはわかりかねます」


恵理夜は、春樹をじっと見つめる。

未だかつて、春樹に恵理夜の勘が及んだことはない。理由はわからないが。


「お休みになりますか」

「えぇ、そうするわ。シャワー浴びたいから、明日早く起こして」


恵理夜は寝室へと移動する。


「では、お休みになる前にお薬を」


またか、とうんざりするが命を左右するものゆえ反抗する気力はすでになかった。

もう一刻も早く眠りに着きたかった。


「春樹、早くして」


春樹は、答えない。


「春樹、」

「お嬢様」



春樹が、ゆっくりと振り向く。



「薬が、消えています」
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