《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 ぎゅぅぅぅ~♪

 おなかが鳴る音で、何にも食べていないことに気付いた。

 すぅっと手を伸ばし、もぐもぐっと食べる。

 いつの間にか全部食べていた。

 ふと、ルミナミエは現実に引き戻された。



――謝ろう。――

 なぜ、こんな考えが出たのか。

 あとで冷静に考えると、ルミナミエは分からないっと思うだろう。

 鏡の前に立つと、髪がぐちゃぐちゃになっているのに気付き、それを直す。

 こくりとうなづいて、部屋を出て行った。

 足取りは、なぜか軽い。

 すたすたすたっと。


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