執事と共に聖夜を。

翌朝――


「朝、いつものように部屋に入ったら、主人がいない、というのも奇妙な光景ですね……」


春樹は、誰にともなく呟いた。

言葉通り、ベッドは空で、テーブルの上には書置きがあった。



“今日は、一日休んでて。恵理夜”



臨時の休暇。


「休みということは、何をしようが私の自由、ということですよね」


春樹は、一人そう呟いて部屋を出た。
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