執事と共に聖夜を。
――そしてその頃、恵理夜は両親の部屋に来ていた。
両親の部屋は、屋敷の渡り廊下の先の離れにあった。
書斎のような部屋に寝室が続いていた。
部屋は、ほとんどは整理されてされていて片付ける、というもの感じではない。
では、なぜシラヤナギは恵理夜に整理してほしいと言ったのか。
――「何ですか、それ」
シラヤナギから話を聞いた瞬間の恵理夜の言葉だ。
と、いうのも、
「だからね、入口以外の鍵の類が全て無くなっているのだよ」
机の鍵、クローゼットの鍵、キャビネットの鍵――それら一式が無くなっているというのだ。
「壊してもいいんだけど、やっぱりそれは忍びないと思ってね」
前回の推理能力と生かしてくれ、といいたいらしい。
「どうして、鍵が……」
「姉さんはいたずら好きで、義兄さんも頭良かったからな。二人で隠して遊んでたんだろう」
流石の恵理夜も呆れた。