執事と共に聖夜を。
「あら……」


恵理夜はそう呟いて笑いだしてしまった。


「こんな単純なことだなんて」


そこにある頭文字を読み取った。


「IT IS HERE.(それはここにある)」


恵理夜は、そこに挟まれた空白のケースを取り出した。


「やっぱり」


空白の二つのケースに、それぞれ金属片が入っていた。

並び順の頭文字が、ヒントを示していたのだ。

鍵は二つ、手に入った。

だが、両親は一筋縄では行かないようだ。
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