執事と共に聖夜を。
「で、どうしてここに来たのよ」
「薬の、飲み忘れを見つけましたので」
「あら、確かに飲んでから出たわよ」
「はい、一つは。ですが、朝の薬は2袋あるんですよ」
恵理夜はしまった、と額を抑えた。
いつも、春樹に頼っていたせいで忘れていたのだ。
「おまけに、こんなに冷え切った部屋で長時間動き続ければ、倒れもしますね。昨日学習したと思ったのですが」
春樹は、心底呆れ切った、という表情だった。
「厭味を言いに来ただけなの」
「まさか。お薬を渡しに来たんですよ」
そう言って春樹は恵理夜の腕を取った。
注射痕だらけの痛々しい腕だ。
「新しく処方されたものです。失礼しますよ」
消毒も荒々しく、何のためらいもなく注射薬を打ち込んだ。
「痛いわよっ」
「失礼致しました。こうでもしないとまた、薬を忘れると思ったので」
春樹は、目線を合わせないまま言い放った。
「薬の、飲み忘れを見つけましたので」
「あら、確かに飲んでから出たわよ」
「はい、一つは。ですが、朝の薬は2袋あるんですよ」
恵理夜はしまった、と額を抑えた。
いつも、春樹に頼っていたせいで忘れていたのだ。
「おまけに、こんなに冷え切った部屋で長時間動き続ければ、倒れもしますね。昨日学習したと思ったのですが」
春樹は、心底呆れ切った、という表情だった。
「厭味を言いに来ただけなの」
「まさか。お薬を渡しに来たんですよ」
そう言って春樹は恵理夜の腕を取った。
注射痕だらけの痛々しい腕だ。
「新しく処方されたものです。失礼しますよ」
消毒も荒々しく、何のためらいもなく注射薬を打ち込んだ。
「痛いわよっ」
「失礼致しました。こうでもしないとまた、薬を忘れると思ったので」
春樹は、目線を合わせないまま言い放った。