新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「良く言うよ。お前から出て来るのが女の話じゃない方が珍しいだろ」
そう言われても奴は知らない素振りで「リュウとは音楽の話しかしてない気がする」なんて嘯(ウソブ)いている。
確かに音楽の話もするにはするが『どんな奏で方をしたら素敵に鳴いてくれるか』なんて、結局は『女の逝かせ方』の講釈が始まるのがオチなのだ。
「いや、でも今日はさぁ〜真面目な話なんだよぉ〜」
純一郎はシナを作って俺に縋り付いてくる。
「俺は生憎(アイニク)お前の取り巻きとは違って、そんな猫なで声には騙されませんから」
そう冷たく突き放してやった。しかし、それでもめげずに純一郎は詰め寄ってくる。
「いやいや、騙すとか、違うんだってばリュウ」
俺はシャーペンを置いて純一郎に向き直った。壁に張られたグラビアアイドル達に見守られているそのポジションに、居心地の悪さを感じながら。
「俺はさ、数学とか公式とか得意じゃないんだから、少しは勉強させてくれないかな」
「他所に行けっつうのぉ? ここ俺の部屋なのにぃ」
確かにそうだ。
俺の家が余りに汚いため、純一郎の所へ避難してきているのだった。