新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「良い! やっぱいいわ。リュウ、正式メンバーになってくんない?」
「ダメだよ。ボーカルの影山が可哀想じゃん」
結局純一郎の留守でもあの部屋が使えるよう、お袋さんにも取りなして貰った俺は、ボーカルの彼が戻って来るまでの非常勤として純一郎のバンド【メモリー・オブ・ザ・ブラッド】に加入することとなる。
「あいつはこういうハードなやつより、アニソンみたいなのが合ってるんだよ」
確かにそうかも知れない。アニソン、似合いすぎて笑いそうになった。しかしそれとこれとは話が違う。
「駄目だって。俺は勉強を頑張って、物理学で博士号を取りたいんだから」
純一郎は「はいはい」と言いながら自分のポジションに戻ってベースを構える。
ドラムスのカウントが小気味良く鳴り響くと、スタジオ内は一気に爆音で満たされた。
───確かにずっと続けられたら、それはそれで楽しいかも知れないなぁ……いや、いかんぞリュウ。そんなことでは物理学博士になんかなれるわけがない───
暫しの自問自答は、ヴォーカルパートが始まることに依って掻き消された。