新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]

 俺は先ず、勉強のやり方を考え直すことにした。ただ闇雲に練習問題に取り組んでいた今までの勉強をやめ、証明を全て文章化してみた。


物理学に於いては、所詮理論を証明する数式も、それを確実に語る為の言語でしかない。


文章では様々な表現法方が有り、受け取り手に依っても解釈が異なるので、規則に縛られた数式を使って伝播が正確に行われるようにしているだけなのだ。


俺はそう(証明を文章化)することに依って、今までうろ覚えだった公式たちもするすると頭に入るようになり、小テストなどでもそれなりの成績を修められるようになった。


───どれだけ文系脳なんだよ───


 俺は自分の適性を呪うと共に、思い立つきっかけをくれたシンに感謝した。


俺がシンの異変に気付いたのは、そんなある日のことだった。


「いや。アカシックレコードというのは物体じゃないだろ」


「物体だよ。宇宙空間の裏側の中心に、モノリス状の物が有るんだ」


「福田はSF映画の見過ぎだな。ああ」


 シンが持っていたシャーペンをまた落とした。


「俺もシンに賛成だ。アカシックレコードは概念に過ぎない。しかし何回落としてるんだよ。中の芯がバキバキになるぞ、シン!」


 俺は駄洒落を交えながらそれを拾ってやる。



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