新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「おお、そうらな」
シンは俺の駄洒落をスルーして、シャーペンを受け取った。
───そうらな?───
普段から言葉少なで、静かに語るシンだ。只の知人だったら聞き逃したかも知れない。
「シンお前、ちょっと真っ直ぐこっちを見てみろ」
「なんらよリュウ。いまはアカシックレコーロの……」
「いいから!」
俺はまじまじとシンの顔を覗き込んだ。面長気味ではあるが端正な筈のそのマスクが、不自然に歪んでいる。
「シン、良く聞け。俺を信頼しろ」
俺はシンをなるべく刺激しないように言った。
「なに? なに言ってんら、リュウ」
「ちょっと待ってな? おい、誰か。救急車を呼んできてくれ。脳卒中の疑いがある患者が居ると」
サークル内は一瞬凍り付いたように静まったが、事態を理解したメンバーの1人が受話器を上げ、速やかに通報する。
「ああもしもし、119番ですか?……」
ウチの家系は元々東北の家柄で、俺は爺ちゃんと婆ちゃんの臨終の際にそれぞれ時期は違うが偶然立ち会っていた。
それも元気な爺ちゃん婆ちゃんが突然卒倒し、慌てて救急車を呼んだが手当ての甲斐もなく、というケースだ。