新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
丁度シンのように、爺ちゃん婆ちゃんも何度となく箸や茶碗を落とした。
そして呂律が回らなくなり、それでも周りが気付いてあげられなくて、彼らは死んでしまったのだ。
「俺がお前を死なせない」
俺は自分に言い聞かせるように呟いた。
シンは物静かで滅多に声を荒げることをしないが、モラルやマナーに厳しく、人のことを考えない輩に人知れず眉を潜めることが多い。
こういうタイプは、血圧の変動が激しい、よって血管系の病変が起こり易いのだ。
「いいか。気を落ち着けろ、恐らく今、お前の脳には重大な損傷が起こっている。でも早期に発見出来たから心配は要らない。そのままの姿勢で、出来るだけ平常心でいろ」
「リュウ……そうか」
シンはやっと俺の真意が理解できたのか、居住まいをゆっくり正すと目を閉じた。
「徳井、福田。奴を両脇から支えてやってくれ」
程無くして、けたたましいサイレンが鳴り響き、慌ただしく駆け付けた救急隊員からタンカに乗せられたシンは、左手でVサインをしながら運ばれて行った。