新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「俺たちの給料では、向こう10年間……タダ働きだ」
「マイガっ!」
俺はキリスト教信者ではないが、そうやって神に縋るしかなかった。
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結局、正直に博士へことの真相を打ち明けた。
そして修理を行う段階で博士は、航行装置であるアナザー・ワールド・トラベラーと、運搬装置であるトランスポーターを分ける発想に辿り着いたのだ。
「ああも見事に真っ二つになったのは、神か何かの啓示だったんだろう。
むむ、ゆっくりしては居られない。論文に取り掛からなくては……」
腕時計を見ながら、急いでその場を去ろうとした博士を呼び止める。
「博士!」
「どうした? リュウ」
「トランスポーターの実験台には、俺がなります。今すぐにでも行けます!」
選手宣誓のように真っ直ぐ手を上げ、立候補した。
「なんだって?」
下手をすれば10年間はタダ働きだったのだ。博士に対する感謝の気持ちを行動で表したかった。
「動物実験は確かに済んだが、微調整がまだだ。記憶に影響を及ぼす可能性がまだ拭い去れないんだぞ?」