新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
計算上、次元を飛び越える瞬間、シナプスのレセプター(受容体)のタンパク質を破壊する可能性が有ったのだ。
でも俺には確信が有った。トランスポーターを背負って帰還したシロの様子が、渡航前と全く変わっていなかったからだ。
「大丈夫ですよ。だって、シロは俺のことちゃんと覚えてたし、今も渡航前とちっとも変わってませんし」
犬好きの俺は、実験動物として飼われている柴犬のシロと仲良しだ。
気難しく、原口研の誰にでも牙をむくシロだが、彼女は(シロは♀である)俺だけには心を開いてくれている。
中でも特に動物占いが猿のシンとは、まさしく犬猿の仲だった。
「シロは変わらず俺に甘えてきましたし、ちゃんと宿敵のシンには吠えてましたから」
「ちゃんと、ってのはどういうことだ、リュウ」
クールな目で俺を睨むシンとの間に博士が割って入る。
「まあまあ、また喧嘩になったら困るから……そうだな。それではあと何回かシロを渡航させてみて、それでも異常が無かったらリュウに頼む」
「了解です」
俺は背筋をのばして敬礼した。