新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「ところで……」
部屋を出ていこうとしていた博士が振り返った。
「ずっと気になっていたんだが、あの喧嘩の原因は何だったんだ?」
「ああ、あれっすかぁ……」
「お恥ずかしい話なんですが……」
「なんなんだ? 耐久性に関する構造モデルか何かの争いか?」
博士は興味深げに俺たちを代わる代わる見詰めた。
「実はアレ、雑煮の餅が丸か四角かって揉めてたんです。な、シン」
「ああ」
一瞬固まった博士は爆笑しながら手を振って、部屋から出て行った。
確かに、今考えれば下らないことではあるが、その時の俺たちには重要な問題だったのだ。
その後(聞こえは悪いが)トランスポーターの人体実験も見事成功し、スポンサーたちの了承も得て、原口龍太郎研の未来は薔薇色に輝いていた。
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「なぁシン」
そしてまた或る時。俺たちはこまごまとした書類を整理していた。
「なんだ」
「いや、最近博士。ちゃんと寝てるんだろうか」
「ああ、それは俺も気になってた。働き過ぎだと思うな」
シンは領収書を記帳する手も止めず、口先だけで返事をした。
「おい。お前博士のことが心配じゃないのか?」