新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「フウカさん、見付かったかい?」


「ううん、全然。でも、リュウさん。ここじゃないかも知れないわ」


 落下地点に旗を立ててきたわけでも無かったので、俺達は宛てもなくさ迷っていた。


「私が落ちたのは、もっと草むらみたいな所だった。ポツポツと木が有って、それで思いきり肘を擦ってスリ傷になっちゃったんだもの」


 フウカは、破いたTシャツを包帯代わりに巻いてあげた腕を見せながら言う。


「そうだな。そしたらもっと向こうの方かも。


フウカさん。はぐれるといけないから、お互いを視界に入れながら移動しよう」


「はーい! 解りました」


「うん。いいお返事だ」


 しかし、そう言った舌の根が乾かない内に、フウカは姿を消した。


「おおぉーい! フウカさん、どこに居るんだぁー?」


 声を限りに叫んだが、湿地帯の澱んだ空気は音波さえ飲み込んでしまうようだ。


「……リュ……さ……」


 僅かにフウカの呼ぶ声が聞こえる。


「フウカさん! 俺はここだ! 歩き回らないで声だけ出しててくれ!」


「……かった。リュ……ぁん……」


 今度こそ俺の言う通りにしているみたいである。



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