特別機関『GQ』!!
「弥生…?瑠都…?」
「俺らが動けなくても」
「私達の能力なら違うものが動かせる…‼」
弥生がそう言うと、瑠都は夜空を見上げながら指笛を吹いた。
ピィィィィィィ…
ピィィィィィィ…
ピィィィィィィ…
三回吹き終わると、変化が現れた。
シュンの向こうの夜空の中で、何かが大量に動いている。
闇と同化する色合いで、空を羽ばたく…
「ほら、きたぞ…
カラスの大群だ…‼」
何羽…いや、何十羽ものカラスがこちら目がけてやってくる。
「な…なんだこいつら‼」
「『こいつら』じゃない。カラス達だよ。」
カラス達は瑠都の目の前で羽ばたいている。
「さて…頼みがある。
あの女の子を人質に取っている男を…攻撃してくれないか?女の子は絶対に傷つけないようにしながら。」
カラス達は瑠都の願いを聞き入れたのか、一斉に「カァ」と返事をした。
そして、シュン目がけて飛んでいく。
「瑠、瑠都‼今結構注文多かったけど、カラス達わかってくれてるの…?」
「速水、カラスを馬鹿にするな。カラスは頭良いんだぞ?下手すればお前より。」
「なっ‼」
「や、やめろ‼放せ、つつくな‼」
シュンが悲鳴を上げた。
ことはは、カラスの群れに怯えてはいるものの、何の害も受けていなかった。
「ほらな?」
瑠都がフフン、と私を見る。