特別機関『GQ』!!
弥生がそう声を上げると、風がシュンの体にぶつかっていく。

「ここは屋上…風ならいくらでも巻き起こせる…‼

まだまだこんなもんじゃないわ‼」

風がより一層強くなり、風によって出される独特の音が曲を奏でているようだった。


カラスにつつかれつつ、こんなに強い風をもろに受けているシュンの体はふらついた。


「純‼今よ‼」

私は地面を強く蹴り、固く握りしめた拳を大きく振りかぶった。


ピィィィィィィ


瑠都の指笛を合図にカラス達がシュンから離れていく。

風も、止んだ。


「シュン‼ことはを…返せぇ‼」


私がすでに近くに寄っていたし、カラス達と風…瑠都と弥生の攻撃のおかげでシュンは戦闘態勢になれなかった。


私の拳は見事シュンの左頬に当たり、シュンの体は屋上の外へと投げ出された。


その腕の中にいたことはも道連れになっていた。



私は柵に足を掛け、ことはの姿を見つけると空に飛び込んだ。


「ことは‼」


「純ちゃん…」


「手ぇ伸ばして‼」

ことはは私に向かって思い切り手を伸ばしてくれた。


私も答えるように手を伸ばしてことはの手を取る。


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