男装人生



「?」


私が急にそんなことを言い出したから、不思議そうに見返される。


「い、いや、二人きりってめったにないからさ。」


そんなに不思議そうにしなくても・・・
なんだか気恥ずかしくて、顔が赤くなってしまった。


「怜悧は可愛いですね。嬉しいこと言ってくれる。」


「へッ?」

「クスクス…可愛い。」


「可愛くないよ。」


「可愛い可愛い。」


「か、かかか可愛いとか言うな‼」


「可愛いじゃないですか。」


そう言うと少しだけ怜悧との距離(キョリ)を詰めた。
そして、首を傾げ怜悧をジッと見つめながら優しい表情で笑う。



「可愛くない‼」


「可愛いです。」

そんなに可愛いを連呼されると、恥ずかしいし、落ち着かないし、さらに顔が赤くなるのがわかる。

「や、やめろよ‼」


「あ、顔のことじゃありませんよ?」


「・・・。キー――ッ‼」


クスクスといつもの調子で笑う、恭。
恭の意地悪‼

最低‼

.


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