男装人生




「…怜李は変わりませんね・・・」


恭がふと、そう呟いた。


変わらないってどういう意味だろうか?

今度は怜悧が不思議そうに見返す番だ。


「クスクス。何でもありません。」



誤魔化された気がする。


「ふーん。」


「そう拗(ス)ねないで。明日勉強のご褒美に大福買ってあげますから。」


「えッ」

拗ねたように下を向いていたのに、瞬時にキラキラとした表情に変わった。


「スキでしょ?」

「うんッ‼」


好きっていうか、怜悧の大好物だ。
でも、なんで好きなもの分かったのだろう。

そういえばこの前も圭也がちょっかいだしてきてキレていたら、イライラしても爪を噛んではいけませんよって言われたっけ。
なんでイライラしたら噛んでしまう癖を知っているんだろう。


謎だ。


もしかして、恭って。



予言者?

いや違うか。

占い師?


.
< 181 / 407 >

この作品をシェア

pagetop