男装人生


「恭って、恐ろしいやつだな…」


「なに考えているんですか。怜悧の頭の中の方が恐ろしいですよ。」


小ばかにされている感、半端ない。
ぷうっとふくれっ面になる怜悧だった。



ま、明日頑張れば、大福買ってもらえる‼
楽しみだなぁ~


「そろそろ寝ます?」


「そだな。」


なんだかんだで、縁側に座ってから30分は経っている。


3人を起こさないようにそっと部屋に入った。



「うわぁ」


「こちらでは寝れそうにありませんね。」


「そだな。」


大の字で眠る圭也と藤原さん。
場所を二人に占領され、居心地悪そうに隅っこで縮こまって寝ているのは鈴音だ。


小さな鈴音が二人に踏み潰されないか心配だ。



「あちらで寝ましょう。」


「鈴音大丈夫かな?」


「・・・心配ですね。」



おもむろに鈴音に近づく恭。

すっと手を寝ている身体の腰の隙間から差し込み、少しだけ起き上がらせ、自分に寄りかからせる。
そして、開いている手を膝下に入れてスッと立ち上がった。

いとも簡単に寝ている鈴音を抱き上げてしまったのだ。


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