男装人生



か、カッコイイ・・・

ちょっとドキッとしてしまった。

女の子なら一度は夢見るお姫様抱っこ。
私だってされてみたい。

だけど、そんな機会は無いだろう。
凄いモデル並みの高い身長があるわけではないが、普通の女の子より少し高い方だから持ち上げる方も大変だ。
体重もそんなに軽いわけではないし・・・

私も鈴音みたいに小柄だったらいいのになぁ。


「怜悧?ボォーッとしてないで、襖開けてください。」


「ヘイヘイ。」


羨ましい。

恭は鈴音を隣の部屋へ移動させると私が敷いた布団におろした。


「怜悧の隣が安心するかもしれませんね。」


「そうかなぁ。」


「初めて会ってからずっと怜悧にくっついているじゃないですか。」


確かにそうかも。
なんだかぎこちないし、まだ鈴音の笑顔を見たことないけど、一緒に過ごしているうちに少しずつ近づけていけてるような気はするのだ。


「そう、だな。」



そう思うと、優しい気持ちでいっぱいになる。
変な表現だけど、胸がポカポカするのだ。


鈴音に毛布をかけてやり怜悧も真ん中に寝転んだ。



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