執事と共に日常を。
「行くのか」

「ええ。怒られちゃうから」


と、少女らしい顔で言った。


「これ、ありがとう」


と、青年は缶を降って見せた。


「お礼は、今度でいいわ」


恵理夜はそう言うと霜の降りた草の間を器用に降り、あっという間に姿を消していた。

急がなければ、そろそろ春樹が部屋に訪れる時間になる所だった。
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