宿題するから利用して
もう諦めようと思った。
もうこの恋にさよならをしようと決めた。
だって二人は単純に両思いなのだから。
「なんで俺が運転手決定なんだよ、出店前疲れてんだから労れや、プリ代出してやるから、な?」
絡むやからのように上体を反らした少年は、顎を引いて黒い髪の隙間から上目遣いで少女を見る。
どうして顔が良い人間はいちいち動作に華があるのだろうか、難無く相手の視野を操るから憎い。
「うわ、わがまま! 結衣さんのが二人三脚頑張ったから疲労なのに。てかあれだし、鼻血ウソでコイツ体育さぼったじゃんねー?」
眉をおもいっきり寄せて頬に空気をためた少女がこちらに賛同を求めてきたのに、
彼氏に並んで三角会話が身についている彼女の優れた人間性を痛感した俺は、
もう羨まし過ぎて黙るのが精一杯だった。
なぜなら――