宿題するから利用して
あいつには敵わないから負けを認めるしかない俺は、あの子に好かれない人材なのだと何回知れば気が済むのか。
何度も何度もあいつに優るところがないと学んでも、毎日毎日あの子を好きになるなんて愚かでしかない。
「……冗談。だよ」
常にユニークなお喋りを披露する近藤洋平を真似て適当っぽく言ったのに面白くないのは何故?
笑いたくない心境で笑おうとする俺の顔面は引き攣っているのだろう。
田上結衣の彼氏はいつだって簡単に笑っている――、いまさらその難しさを知る。
廊下を舞台に主役になれない人の奥、窓から夜を誘い出せば虚栄の髪色は本当の自分に戻ってしまっていた。
ライバルの薬指には愛のペアリング、俺の薬指には鍵の二重リング。
一方的な愛情は独りよがりに空回りをし、重たいばかりか美しい環にはならない。