宿題するから利用して


『できるだけ早く進路について本格的に考えましょう』


来年はいよいよ卒業が迫る二年全生徒が体育館に集められ、

舞台の真ん中に立つ進路担当の先生の訴えを、三角座りをしたり胡座をかいたり正座の足を斜めに崩したり、

一クラス二列に並んで大人しく聞いていた。


話しが始まって二十分ほど経った頃だろうか。

それが『ゴミを減らすにはリサイクルです』とか、『お年寄りには親切にしましょう』みたいな内容に似ていると俺は思った。

そう、三・四時間目の枠を割いているのに、たった数十分で『未来を決めるのは自分です』という二時間分の簡素な結論が浮かんで、

今回の集会は本気度が低く、なんとなく再来年の四月ビジョンが描けるようにというさわりだけの感じだと分かった。


――――だから、それが忌ま忌ましい時間への始まりだった。

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