宿題するから利用して


「……ごめん、」

人間性を問われた気がした俺は謝るなり、何の思い入れもない鍵を強く握った。


中身が優れた近藤洋平には人として最初から敵わないのに、なぜ田上結衣という内面が豊かな女の子に二度目の告白などしたのだろうか。


――イエスかノー、考えなくとも分かるだろう?

お花畑の国の作り方を知らない俺と居るよりも、あいつの隣に住む方があの子は世界で一番幸せなのだと。

二人が隠しているのは本人たちさえ目に見えない秘密の場所、そこは夢や希望、愛に溢れていると結びたいところだが、

彼らに合わせるなら笑いに満ちている場所だ。


魔法のキーは悪魔のキーだから早く手放そう。

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