宿題するから利用して
俺にとって略奪愛は格好悪いものだと思えた。
なぜなら、ラブラブな恋人を見ては『こんなに好きなのに』と切なく浸りたい者か、
ラブラブな二人を引き裂いて『勝った』と己に酔いたい者の二種類しか居ないからだ。
正当化させる理由ならたくさんあるのだけれど、やっぱり悲劇のヒロイン気取りの色が強い。
自己愛しかない世界は結果的に歪みばかりで、熱が冷めた時にまた繰り返すお粗末さが最高にラブリー過ぎて俺には無理だ。
「ほんと、ごめん」
冬休みデビューを果たした同級生の謝罪を聞くなり、この先最も長く田上結衣を映すであろう鏡は柔らかに細められ、
女がときめく甘ったるさを漂わせ近藤洋平が笑ったから、
超能力がなかろうとも、一秒後の展開すべてを俺は知ってしまうことになる。