宿題するから利用して
生温い風が開け放った窓から時折皮膚を覆い、張り付いた汗が少し引く。
バレーボールが落ちて床を叩く音が頼りなく響いていた。
普段から付き合ったことがないことをからかわれたり、声が低くないことをイジられたり、
中学の頃からお馴染みなヘタレキャラクターだったのに、外見が変わるとたちまち皆の反応が変わった。
そんな流れでもつっつんなんて言わずに、ずっと大塚と口にする――あまり知られていないが、田上結衣の彼氏の凄く良いところだ。
だから最大の敵を嫌えない。
負けを認めるしかない。
悔しいけれど、人としての基盤が異なる逸材――そう、あの子の恋人に相応しいのは奴しか居ない。
百億万円が何円なのか尋ねようと、俺が唇を開きかけたと同時に、
転がったボールを投げようとした近藤洋平が痛いと叫び声をあげた。
「、え……、コンコン?」
場所に構わず倒れ込んだライバル。