宿題するから利用して
「大塚、洋平よろしくな?」
一人忘れていた。
マドカ高校で一番人気の王子様も、俺を変わらず苗字で呼ぶ。
親友に怪我をさせたからと責めずに、甘く微笑む王子様は田上結衣の“男友達”だから、
彼女にとってその他大勢の一人を代表する自分は当然彼をも好かない。
四本足を三本にし、仲良しこよしな女子たちがはしゃぐ運動場。
太陽の下、大声を出す世界観が学生の象徴でたまに切なくなる。
保健室まで付き添うことにした俺が、気に食わない奴だと不満に思いつつ何度も上辺だけの謝罪をしたら、
近藤洋平はごく自然にジャージのポッケからティッシュを出して、
鼻の穴に突っ込むと、「へーき。勇者に痛みはない、はは」と、謝罪は無視してお気楽なジョークを始める。