宿題するから利用して
一秒でもいいから田上結衣に俺を好きになってほしい。
それが無理だと分かっている自分は贅沢を言わない、ただ嘘でも操り好きだと吐かせてやりたい。
けれどもそれを叶えるならば、多分誰も俺に賛同してくれないし軽蔑されるどころか人として存在を否定される結果になるのだろう。
無意識に奥歯を強く噛みすぎて呼吸をすることさえ忘れていた。
後三十秒、好きな女の寝息を聞いていると無遠慮に手を伸ばしてしまいたくなるから、
「鍵したいんだ。起きて?」と、意識してさっきより大きな声を出した。
馬鹿にはなれないし馬鹿にはなりたくない、だって彼氏持ちの女に報われない片思いを続ける俺は既に馬鹿なのだからいい加減忍耐力を身につけよう。