【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「アキー、お疲れさん。じゃ、新曲見せて。」
お店の隅に置かれたソファーに座っていたのは、優兄と李織さんと愁生さん。
中でも何かを催促するように、手をひらひらと振るのはあたしの3つ上の幼なじみである優兄。
真っ黒な髪をちょうどよく遊ばせた、ちょっとだけ軽そうな見た目。
けど実際は優しくて面倒見のいいお兄ちゃんだ。
担当はドラムス。
「…アキの新曲、自信作なんだって?」
クルクルと器用にペンを回しながら言うのは、メンバーの中で一番落ち着いている愁生さん。
フレームなしの眼鏡が理知的で、Rainのまとめ役。
担当はギター兼ベース。
「まあね、そこそこいい出来だと思うよ。じゃあ李織、弾いて」
「えぇー…眠い。アキが弾けばいいのに…」
そういうのは、いつも眠そうだけど中性的な顔が綺麗な李織さん。
ふわふわ癖毛の鳶色の髪と瞳がよく似合っている、マイペースでちょっと不思議な人。
担当はキーボード。