Magic Rose-紅い薔薇の少女-
風はある一点に集まっていき、大きな塊になった。
刹那、風がバッと切れた、と言うのは可笑しいけれど、兎に角そんな感じだった。
そこに、女の子が立っていた。
銀髪の、長い髪
藍色の瞳に、ピンクのひらひらのワンピース。
耳にはハートのピアス。
目はつり目。
「アーッハハハ!」
両腕を広げ、顔は天を見上げる。
「遂に、遂にきましたわよ!」
両目を見開き、狂ったように笑う。
「嗚呼、お兄様……復活の時間(とき)は近いようですわ!」
「あな、たは?」
私がそう問いかけると、自信に満ち溢れ、でも何処か狂ったような表情の彼女は答えた。
「あら、ご存知ないかしら?
ワタクシ、エクセディ・“カルタス”と申しますの」
カルタス……?
――『そして東は……カルタスだ』
まさか……