Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「ひが、し……」

なんてこと……。

「そうですわ。我がカルタス家は東の国、ベリアザ国の首都、アイラビア一の貴族ですの。
王族との繋がりもありましてよ」

私は、大変なことを…………。
取り返しがつかないことを……。

「アイラビア一の……?」

「そうですわよ。
貴女が六歳の頃、聞いたことがないかしら?」

私は、昔……そう九年前
お母様から聞いた話を思い出した。

『アイラビアの貴族の方が、ローズの噂を聞いたらしく……人目会いたいって。
年上だけれど、将来は一人息子の嫁にどうかって』

まさか、それって

「あら、何か心当たりが?」

「九年前の、私をくれと言っていた貴族の方って……」

「あらぁ、ここは九年後なんですの?
まぁ、でもそうですわ、カルタスでしたわ」

引っかかる言葉が一つ。
この子、時間がわかってないの……?

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