有明先生と瑞穂さん
瑞穂もようやく人を掻き分け、有馬の後ろに立つ。

正直小浜が怖いので有馬を盾にしている。


小浜は一度チラリと有馬を見ると口元を手で押さえ

「わ、私は・・・」

と俯きながら涙目になった。


それにまた取り巻きが
「ゆきなちゃん泣かないで!」
と小浜を囲む。


(あれ・・・嘘泣きだよね・・・)


しかし有明も少し焦り、

「怒ってるわけではなく理由を・・・」

と小浜の顔を覗き込んだ。



「んなっ・・・!」


それを見てキレたのは有馬だ。



「ちょっと!有明先生まで騙されないでよ!!」

「お、落ち着いて有馬さんっ!」


詰め寄ろうとする有馬の腕をつかみ、瑞穂は必死で有馬を止める。


男は基本、ああいうタイプが腹黒いだなんて直接見るまで信じない。

むしろ今この状況でいくら有馬が言ったところで逆効果だ。

それに有馬が悪者になってしまうことは避けたい――。



カッとなった有馬をひとりで押さえることは難しいが、布津は自分達を呼んだ後すぐに口之津を呼びに行ったようだし、深江はいない。

有馬の腕に全体重をかけてぎゅうっとしがみついた。


「邪魔しないで晴子!!」

ドン!

「わっ!」


しかし有馬の力にはかなわず、勢いよく腕を振りほどかれて瑞穂はバランスを崩した。


(やばっ・・・)


グラリとバランスを崩す。

何人かが「ヤバイ」という表情をしたのが目に入った。


瑞穂が倒れた先は数段ほどの階段。

下は踊り場だからそんなに段数がなかったのが幸いか――
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