有明先生と瑞穂さん
深江は帰宅しようと玄関で靴を履き替えていると、教室の方から来た生徒達がザワザワ騒いでいることに気づいた。


「・・・・・・?何かあったの?」

「あっ、結ちゃん!」


事情を知っていそうな生徒に声を掛けると興奮気味に先ほどのことを説明してくれた。


「有明先生、超かっこよかったよぉ~~!
瑞穂さん羨ましすぎ!
お姫様抱っこなんだから」

「ま、まあ、階段から落ちたしパンツは皆の前で丸出しだし、羨ましいって言うのもアレなんだけどさあ・・・」

「そんなことが・・・・・・」






***



「手や足はひねってない?」

「大丈夫です」

「頭は打たなかった?」

「あ、それは口之津先生が支えてくれたから・・・」


保健医から手足を確認しながら質問されていると、また乱暴に扉が開かれ口之津と布津が入ってきた。


「ったく、俺の方が重症だっての!」

「口之津先生!」


頭をさすりながら入ってきた口之津は有明を睨みつける。

有明は分が悪そうな顔をして「すみません・・・」と言いながら苦笑した。



「口之津先生は頭打ったみたいです」

「それだと一度病院に行った方がいいわね・・・。
手足は大丈夫?」


保健医が口之津を診ていると、有明は「はーーーっ」と大きく息を吐いて瑞穂の足元にしゃがみこんだ。


「あ、あの・・・ありがとうございました」

「もう・・・どうしていつもこういう時に瑞穂さんが痛い目見るの」

「アハハ、何でですかね」


笑うと有明が安堵の顔で見上げる。


「瑞穂、大丈夫だったか?」


今度は布津が寄ってきて、瑞穂の隣に腰を下ろした。
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