有明先生と瑞穂さん
布津は瑞穂の隣に腰を下ろし、黙って泣き止むまで待った。

しばらくすると気持ちが落ち着いてきた瑞穂がようやく顔をあげる。


「ノド乾いてないか?」

「・・・・・・乾いた」


布津は瑞穂が泣くといつも優しくしてくれる。

その時の布津の優しさはいつも自然だから、瑞穂も自然に甘えられる。



「はは、やっぱジュースもったいなかったな」

その言葉に瑞穂もようやく「ふふっ」と笑いがこぼれた。



「足大丈夫か?
膝も思いっきり擦りむいてたろ」

「浴衣にもちょっと血がついちゃった・・・」


浴衣を捲り上げると膝からすねに掛けてついた傷とそこから出た血がすでに固まってこびりついていた。

足の指も両足とも血が出ている。


「ジンジンする」

「うっわ、ひでーな」



布津は少し考えた後、瑞穂の前に背中を向けてしゃがみこむ。


「・・・・・・?」

「ほら、おんぶ!
そこに神社あったから水道借りよう。
人いないから恥ずかしくないだろ?」

「ええっ?!
い、いいよ!階段とかあるし」

「だーから、瑞穂その足じゃ登れないだろ?!
いいから早く!」


急かされると断りきれずに、結局あたりを見回して人がいないことを確認すると浴衣を膝の上まで捲り上げて背中に体を預けた。
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