有明先生と瑞穂さん
「はーーっ、ついた!」

「ごめんね、重かったよね」

「ちとキツかったけど大丈夫。
帰りもおぶって行ける」

「帰りはいいよ!」

「んにゃ、それじゃしばらくは痛くて歩くのツライだろ」


布津は背負うと言って聞かない。



「ほら、あった水道!
ここで砂とか血を流せばいい」

布津が見つけた蛇口を捻れば冷たい水がジャバジャバとたくさん出てきた。

浴衣を持ち上げると

「足出してみ。洗ってやるから。
瑞穂は浴衣濡れるから持ってろ」

布津はそう言ってしゃがみこんだ。

同級生なのに、なんだかすごくお兄さんみたいだ。
弟がいるから、面倒見がいいのかもなあ・・・

そんなことをぼんやり考える。

小さい頃からこうやって世話を焼いてもらってばっかりだ。



いつも布津にはもらってばかり。
いつも何かお返しをしたいと思っているのに―――



(私が布津のためにできることって何だろう・・・)



布津は当たり前のように、傷がなるべく痛まないように優しく洗ってくれる。

ガサツな性格なのに、瑞穂にはいつも優しく、優しく。


そんな布津の姿を見下ろしているとなんだか居ても立ってもいられなくなり、思わず声を掛けた。



「・・・・・・布津」

「んー?」

「・・・・・・えっと、」


言葉に詰まる瑞穂を不思議に思い、布津は顔を上げた。


「どうした?痛い?」
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