有明先生と瑞穂さん
「ねー、本当に歩けるよ」
「ウソつけ!
おまえ神社でもヨタヨタ歩いてただろうが。
あれで歩かせられるか!」
また再び布津の背中に背負われて歩き出す。
「でも人増えてきたしー・・・
人目気になるしー・・・」
「ワガママ言わないのっ!メッ!」
「・・・はーい」
ブツブツ言うが、内心そんなに嫌じゃなかった。
結局そのまま駅に着き、電車の中ではさすがに降ろしてもらったのだがその後も家路までずっとおんぶしてもらう。
さすがの布津もキツくなってきたのか何度も手を組み直した。
無理にでも「降りる」と言えばいいのだが、なんだかこのまま甘えていた方がいいような気がした。
と、細い一方通行の道に差し掛かった時、後ろから車の音がして端に避ける。
しかしその車は通り過ぎることなくスピードを落として自分達の隣について窓を開けた。
「あ・・・!」
「瑞穂さん!それに布津君・・・どうしたの?」
そこから顔を出したのは有明先生だった。
さすがにこんなみっともない姿を見られるのは恥ずかしい・・・
そう思っていたら案の定、助手席から加津佐が身を乗り出して騒ぐ。
「アハハハハ!どーしたの二人共ー!!
なんかスゲーんだけどー!!」
爆笑する加津佐を振返ることなく有明先生が無言の裏拳を顔面にビシッと食らわせた。