有明先生と瑞穂さん
右肩の方から顔を出してそのまま横からゴツンと頭をぶつける。

いいにおいなんかじゃないはずの汗のにおいが、心地いい。



「滅多におんぶなんてされる機会ないじゃない」



「だからだよ」なんて言ってみても、そんなのが理由にはなるわけもなく布津は困惑する。



「はは、気分がいいんだよね。
お馬さん、行け!みたいな」

「お、俺馬かよぉ~~」

「あははは」


そう言いながら布津は少し嬉しそうだ。



「布津に気なんか遣うわけないじゃん。
気遣うなら車に乗せてもらってる。

ただ、私がこっちのがよかっただけ」


気持ちが高揚している。
背負われてきっと気持ちが子供の頃に戻っているのだ。




布津は黙りこくったまま。
その顔は赤くなっていたが、背負われた瑞穂からは見えなかった。
< 656 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop