white＊story

「いったたた。」

「かえちゃん！！
ごめんね！！
大丈夫？？」
さくちゃんが
心配そうに
私を見つめる。
ママも
「いったい
どうしたの、楓？？
元気なのがとりえの
運動神経抜群の
あなたが」と心配して、
寄ってきた。

「わかんない…けど、
一瞬、膝らへんが
痛かった…。
でも、大丈夫だよ！！
よいしょ…っと」

あたしは、
立とうとした。
したんだけど、
立てなかった。
今まで経験したことも
ない痛みが、
あたしを襲った。

「痛い!!痛いよっっ！！
ママ、助けてっっ」
あたしは、痛みを
こらえきれず、
ママに助けを求め、
泣きわめき、
叫び続ける。
「楓っっ！！
ど、どうしたの？？
どこが痛いの！」
ママもパニックに
なっている。
「かえちゃん…！！
右膝がすごい
腫れてる…！！」
さくちゃんが、
驚きの声で叫ぶ。
ママが、さくちゃんの
声を聞き、
あたしの右膝を見る。
「か、楓！これ…
どうしたの？
どこかで打ったの！？
なんで、こんなに
腫れるまで、
放っておいたの！？」
ママが、あわててる。
あたしは、膝が
腫れてるなんて
気づいてなかった。
もちろん、違和感と
少しの痛みは、
すこし前から
あったけど、
どこかにぶつけた
かな～くらいで、
気にも留めてなかった。
そのことを伝えると、
「とっ、とりあえず、
病院に行きましょう。
　桜、救急車呼んで！」