僕の愛した生徒


「この歌、昔の歌なの?」


「昔って程、昔じゃないけど10年位前の歌」


「10年前?
…私、まだ幼稚園だよ」


苦笑いの奈菜。




奈菜の屈託のない言葉は僕たちの現状を教えた。


奈菜は今年で16歳。

僕は33歳になる。



17歳差…か。



教員をしていると不思議な感覚に陥る。

自分が年を重ねていっても、相手をする生徒の年齢は変わらない。

年々、年の差は広がるばかり…



「じゃあ、何で奈菜はその歌を知ってんだ?」


奈菜の話によると、
最近、流行っていて、歌っているのは僕が知らない横文字のバンド。


つまり、カバー曲。



これに、奈菜も改めて年の差を感じたらしく、僕がよく見ていたドラマとかアニメの話を目を輝かせながら聞いてきた。


それについて話す僕。

有名なものは奈菜も知っていて、その話題で盛り上がるのだが、

僕がリアルタイムで見ていたものを、奈菜は再放送で見ている。



奈菜との間に感じるジェネレーションギャップ。

僕はそれに何となくショックを受けた。



でも、奈菜はそれをも楽しんでいるようで、僕を好奇の目で見て


「先生、バレたら犯罪だね」


と笑った。
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