僕の愛した生徒
すると
奈菜の顔に柔らかな笑みが広がっていった。
それは僕の好きな奈菜の顔で、
玲香の顔。
今度こそ玲香を幸せにするよ。
もうあんな寂しい目はさせないから…
僕は彼女の唇に唇を重ねた。
顔を真っ赤に染める彼女。
そして
彼女は照れくさそうに僕の目を見据えて言った。
「ねぇ、先生。
私、先生に幸せにしてもらおうなんて思ってないよ」
どうしてそんな事を言うんだ?
玲香はいつも言っていたじゃないか。
“ 秀平、私を幸せにしてね "
って。
それなのに…
「どうして?」
僕の口から無意識に言葉が飛び出していた。
「だって、私は幸せにしてもらうんじゃなくて、
一緒に幸せになるの」
そう得意気に答え、
僕に笑顔を向ける彼女は玲香。
でも…
今、僕に答えた彼女は
玲香ではなく…奈菜。
僕の腕の中にいるのは奈菜だった。