ありのまま、愛すること。
母が私にしてくれた重要なことを申し上げるとすれば、次のようなことになるのだと考えています。

母の顔を思い浮かべながら、申し上げます。

無条件に愛すること。

ありのまま、愛すること。

すべてを受け入れること。

そして、その母がとても楽しそうで、幸せそうでした。

私といるときはニコニコとして、だからこそ、私といる以外の時間、仕事をしているときでもきっと充実していたのではないかと、類推できるのです。

母が笑っている顔を見るのは、子どもにとっていちばんの安心感なのだと思います。

子どもに笑顔を見せられるというのは、最も大事な愛情表現なのでしょう。
この人がいるから、怖くない。

そういう安心感、絶対的な存在でいることは、母のできる役割なのだと考えます。

母が私を全力で守っていてくれる。

そう思えることが、私が「頑張ろう」と思える源になったのです。

これは単純なことで、小学校に上がってテストがあっても、母の笑顔を見たいから、頑張っていい成績を取ろうと思いますよね。

100点の答案を見せれば、母は手放しに喜んでくれた。

「あなたに褒められたくて─」

と、まさにその一点で子どもは頑張れるし、その頑張り方のモチベーションは、絶対的に正しいと私は思います。

母親にはそれだけの力が必ずあるんです。

それから、愛情の捧げ方にはやはり、コントロールが必要です。

濃密な愛情はずっと捧げればいいのですが、その視点の中心には、

「子どもが幸せになれるために」

という意識を忘れてはいけない、これも大事です。

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