ありのまま、愛すること。
大事なのは、愛情表現とはなにかということを、自分で俯瞰しながらコントロールしていくこと。

ただ注ぐだけが凝縮した愛ではありません。

ときに突き放し、心を鬼にして見守るだけというのも、凝縮した愛情表現の形であると考えます。

母親にとって差し伸べられる手を子に差し伸べないのは、とても辛いことでしょう。

そこには母の側の忍耐も必要になってくる。

接しないで耐えるということも、愛情のひとつの形であり、じつはそれは、なかなか難しいことでもあるのです。

でも、頭で考えたときに、

「ちょっと一歩引いて、ここは突き放すときだな」

とか、

「ここで手を差し伸べないで、自分で行動させなければいけないな」

ということを、できるか否かで、子の育ち方には差が出てくると思います。

「かわいい子には旅をさせろ」

とは、愛情表現の真理なのだと、あらためて思うのです。
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