黒き藥師と久遠の花【完】
「俺の後ろについて来て。裏の出口までクリスタさんを連れて行く」
クリスタが小走りにこちらへ来たのを見計らい、みなもは腰の短剣を外し、彼女の前に差し出した。
「もしかしたら連中に気づかれて、戦闘になるかもしれない。万が一のことも考えられるから、悪いけど自分の身は自分で守ってもらうよ」
一瞬、鈍色の輝きに躊躇したが、クリスタは「ええ」と頷き、短剣を手に取る。
柄をギュッと握り、彼女は瞳に力を込めた。
「絶対に貴方の足手まといにはならないわ」
「そう言ってくれると頼もしいな。……あ、でも刃には触れないように気をつけて。毒が塗ってあるから」
毒、と聞いた瞬間、クリスタの手から短剣が落ちそうになる。
咄嗟に彼女は剣を抱え込み、みなもをまじまじと見つめた。
「……みなもさん、いつもこんな恐ろしい物を持っているの?」
「うん。つい最近まで俺にはそれが必要だったから、持っていないと落ち着かなくて。それに――」
みなもは一呼吸置き、微笑を浮かべて言葉を続けた。
「――守ってもらうだけっていうのは性に合わないんだ。自分のことも、大切な人も、この手で守りたい」
クリスタが小走りにこちらへ来たのを見計らい、みなもは腰の短剣を外し、彼女の前に差し出した。
「もしかしたら連中に気づかれて、戦闘になるかもしれない。万が一のことも考えられるから、悪いけど自分の身は自分で守ってもらうよ」
一瞬、鈍色の輝きに躊躇したが、クリスタは「ええ」と頷き、短剣を手に取る。
柄をギュッと握り、彼女は瞳に力を込めた。
「絶対に貴方の足手まといにはならないわ」
「そう言ってくれると頼もしいな。……あ、でも刃には触れないように気をつけて。毒が塗ってあるから」
毒、と聞いた瞬間、クリスタの手から短剣が落ちそうになる。
咄嗟に彼女は剣を抱え込み、みなもをまじまじと見つめた。
「……みなもさん、いつもこんな恐ろしい物を持っているの?」
「うん。つい最近まで俺にはそれが必要だったから、持っていないと落ち着かなくて。それに――」
みなもは一呼吸置き、微笑を浮かべて言葉を続けた。
「――守ってもらうだけっていうのは性に合わないんだ。自分のことも、大切な人も、この手で守りたい」