黒き藥師と久遠の花【完】
ドンッ!
避けきれず、男の肩がレオニードにぶつかる。
その時、腰のベルトへ何かを引っ掛ける感触がした。
思わず立ち止まって後ろを振り向くと、男は文句の一つも言わず、無言で去って行った。
「どうしたんだよ、レオニード。時間がないんだ、早く行こう」
少し離れた所でボリスも立ち止まり、切羽詰まった顔をこちらへ向けてきた。
即座に「ああ」と返事をしながら、レオニードは走り出そうとする。
それと同時に、感触があったベルト部分に触れてみる。
何か小さく丸まった物が、ベルトに挟まっていた。
(一体何だ……?)
指で押し出して取り外すと、すぐにその正体を確かめる。
手中にあったのは、幾重にも折られた白い紙だった。
よく見ると、うっすら字が透けて見える。
一瞬レオニードは躊躇したが、手早く紙を開いた。
そこに書かれた短い文章を見た瞬間、考えるよりも先に声が出ていた。
「ボリス、ちょっと待ってくれ!」
呼び止められ、ボリスは数歩進んでから立ち止まる。
すぐさま彼に駆け寄ると、レオニードは辺りを見渡し、人気がないことを確かめてから紙を見せた。
避けきれず、男の肩がレオニードにぶつかる。
その時、腰のベルトへ何かを引っ掛ける感触がした。
思わず立ち止まって後ろを振り向くと、男は文句の一つも言わず、無言で去って行った。
「どうしたんだよ、レオニード。時間がないんだ、早く行こう」
少し離れた所でボリスも立ち止まり、切羽詰まった顔をこちらへ向けてきた。
即座に「ああ」と返事をしながら、レオニードは走り出そうとする。
それと同時に、感触があったベルト部分に触れてみる。
何か小さく丸まった物が、ベルトに挟まっていた。
(一体何だ……?)
指で押し出して取り外すと、すぐにその正体を確かめる。
手中にあったのは、幾重にも折られた白い紙だった。
よく見ると、うっすら字が透けて見える。
一瞬レオニードは躊躇したが、手早く紙を開いた。
そこに書かれた短い文章を見た瞬間、考えるよりも先に声が出ていた。
「ボリス、ちょっと待ってくれ!」
呼び止められ、ボリスは数歩進んでから立ち止まる。
すぐさま彼に駆け寄ると、レオニードは辺りを見渡し、人気がないことを確かめてから紙を見せた。